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【業界コラム】声優事務所が語る、ゲーム業界へ声優のフィールドが広がった現状について

2021年11月24日

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今日のゲームでは重要な要素になっている、声優が演じるゲームキャラクターボイス

現在は当たり前のものではありますが、30年前のゲーム業界では
声優の声をゲームに入れるというのは画期的なことでした。

当時のゲームは容量制限の問題が大きく、音声や動画が入ることなど夢のまた夢でした。

かくいう私もファミコン世代ですので、PSG音源で育った一人です。

あの電子音が鳴るだけでもすごいことだったのに、
ある時期から人の声がゲームから再生されるということが実現されました。

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ファミコンの合成音声やスーパーファミコンの時代にも声はごく一部出るようになりましたが、ゲーム音声が大きく発展した一番の牽引役は、『PCエンジンCDロムロム』で
CD-ROMがゲーム機のソフト媒体に採用された頃からです。

声優が本格的に出演した作品としては、「コブラ」「夢幻戦士ヴァリス」と続いて、
大作「天外魔境 ZIRIA」「Y’s I・II」に継承されます。

当時CMを見たゲーム好きの人は衝撃を覚えたのではないでしょうか。

ゲームから聞いたことのある声優の声がする!と。

声優業界の側面からゲーム業界を見てみますと、これまでゲームは仕事の範疇外でした。

まさかゲームから声が出せるようになる日が来るとは思っていませんでしたので
声優事務所各社ともノーマークだったのではないでしょうか。

ですが有名声優が起用され、爆発的な人気ゲームになったことから、
声優業界もゲームへの出演参入が急激に拡大していきました。

もともとアニメーションに出演している声優ですから、ゲームのキャラクターや画風には
かなり表現の親和性があったことも発展したひとつの理由かもしれません。

ゲームの容量が増えたことにあわせて、ゲームの規模もどんどん大きくなっていきました。

ストーリーの複雑さや長編、マルチエンディングなど、操作性も
ストーリーの柔軟性も格段にあがっていきます。

 


声優から見る、アニメとゲームの大きな違いはマルチストーリーにあります

ゲームでは話しかける順番やストーリーの進行にあわせてセリフが変わったり、
さまざまな変化が起きます。

特にアドベンチャーゲームはキャラクターの親密度や関係性によって
セリフが変わったりするため、声優はすべての音声を収録していきます。

この収録するセリフ数が非常に膨大で、
台本がダンボールで2つ分届くなんていうこともありました。

声優も台本から自身のセリフを探し出すのがとても大変で、
収録が困難を極めることもありました。
また、ものすごいセリフ量のため、長いと収録が1人10日間かかることも

そしてなにより難しいのが、シナリオに合わせてキャラクターの心情が大きく変わることです。

アニメの場合は、1話のストーリーが全編通じてストーリーが決まっているため、
感情の流れが自然に演技ができます。

しかしゲームの収録は、笑顔でしゃべったかと思えば、
次のセリフでは急に怒ったセリフになったりと、ゲームのマルチシナリオにあわせた収録を
行うため、感情表現の切り替えがとても大変です。

 


さらに大変なことがゲーム収録にはあります。

アニメではスタジオ集合形式で他の声優とお芝居の掛け合いセリフをしながら
収録を行うため、相手のセリフを聴いてキャラクターの表現や心情を感じて
反応することができ、お芝居がとても自然な会話になります。

しかし、ゲームの収録はマルチシナリオであることから1人ずつ収録スタジオに入って
セリフ収録をしていきます。

ゲーム内では掛け合いセリフをするキャラクターがいたとしても、
収録時には相手のセリフをまったく聴くことができない中で自身のキャラクターを
収録していくので、相手のキャラクターがどのような表現をしているか、
どんな心情で言葉を返してくれているのか、相手との物理的な距離感、などなど
すべて想像の中でキャラクターを演じていきます。

ゲームが製品になってから初めて相手のセリフが聴ける、といった具合になります。

これは声優にとって一番苦労するポイントではないでしょうか。

よりイメージ力が高く、具体的に頭の中にゲームの世界を構成できる力が声優に求められます

そしてゲームはさらに発展し、自宅だけにとどまらず、外でもできるようになりました。
しかもゲーム専用の端末ではなく、汎用性のある機械で。

そうです。スマホです。スマホゲームの台頭により、声優のゲーム出演活動の幅は
爆発的に広くなりました。

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特に、モンスターや英雄、アイドルグループ、擬人化など、キャラクターが
数百数千と作り出されるゲームでは1人の声優が何十キャラも演じていることもあります。

さらにVRなど新たなゲーム媒体の展開もあり、そこには字幕ではフォローしきれない
空間が存在し、瞬間的に認識できる声を用いたゲームシステムがあり、
声優が出演する場面も多く出てきそうです。

多くの人気ゲームがアニメになり、グッズになり、イベントにもなり、
声優がますます活躍できるフィールドをゲーム業界が創り出してくれました。

声優もそれにあわせて、アニメや洋画だけにとらわれない表現の幅を身につけてきています。

今後もさまざまな技術革新により、想像もつかないような新たな媒体が
これからも誕生することでしょう。

そんな未来にゲーム業界とともに、声優業界もワクワクしているのでした。

 


著:株式会社アル・シェア 藤田 浩治
HPhttps://al-share.co.jp

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